夫の笑顔が戻ってきた理由
新しいお店に異動してからというもの、
夫の様子は目に見えて明るくなった。
あれだけ「もう仕事ムリ…」と弱音を吐いていたのが嘘みたいに、
毎日ニコニコしながら帰ってきて、
「今日はこんなことがあったんだよ~!」
と、楽しそうに話してくれる。
私は正直ホッとしていた。
「異動して本当によかったな」って。
突然の電話「クリスマス会に行く」
そんなある日、仕事中の夫から電話がかかってきた。
「今日、バイトの子の家でクリスマス会あるから行ってくるわ!
男は俺だけじゃないし、明日帰るね。安心して~」
え?
一歳の子どもと私、初めての2人きりの夜…!?
でも、交友関係の少ない夫が誘われたってことは、
新しい職場でうまくやれてるんだな、と思った。
バイトの女子大生“さやか”登場
翌朝、帰ってきた夫はご機嫌だった。
「いや~楽しかったわ~!
今の店のバイトの子、おもしろい子たちばっかでさ!
女の子2人いたんだけど、2人とも“胸触っていいよ”って言ってきてさ~
1人なんか“触られても減るもんでもないし”って言っててみんなで笑ってたよ」
……って何の報告???
夫は「まぁ、俺は触ってないけどね~」と笑っていたけど、
その話、私は全然笑えなかった。
なぜか心がザワザワした。
今思えば、あの日から始まってた
夫はそれからというもの、
その“胸触っていい”発言をした女子大生「さやか」の話を毎日のようにしてくるようになった。
「さやかって子、ほんとに面白くてさ~」
「今日もさやかが〇〇って言ってさ~」
なんだか、彼女の話ばかり。
え?
うちの子の話は?
私の話は?
ってくらい、毎日“さやか、さやか”。
うちの子の話は?
私の話は?
ってくらい、毎日“さやか、さやか”。
今思えば──
あの時すでに「夫の浮気が始まった瞬間」だったのかもしれない。
夫が毎日語る“さやか”の存在
なんだかんだで、その1ヶ月後──
その「さやか」が、
うちに泊まりに来ることになるなんて…
このときの私は、
まだその未来を知らずに笑っていた。
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